「聞き書きマップ」を活用した、子どもと高齢者の視点からの市街地の安全点検:秩父市

平成26年9月6日、秩父市セーフコミュニティ推進協議会(会長:秩父市長)が、当プロジェクトとの共同により、市街地の安全点検を実施します。インターナショナルセーフスクールの実施地区である「秩父第二中学校区」を中心に、明治大学や科学警察研究所等の協力を得ながら、『聞き書きマップ』を活用した現地調査を実施し、子どもと高齢者の視点から地域安全マップをワークショップ形式で作成しました。

日時 2014年9月6日
主催 秩父市セーフコミュニティ推進協議会
「国際基準の安全な学校・地域づくりに向けた協働活動支援」プロジェクトグループ
協力 明治大学理工学部 都市計画研究室
科学警察研究所 犯罪行動科学部
一般社団法人子ども安全まちづくりパートナーズ

参加者からのコメント

鈴木俊治(明治大学客員教授)

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↑車椅子では少しの段差等も通行の障害に。

 安全・安心な地域づくりのためには、まず地域の現状に目が行き届くことが大切である。今回、地域の親子や学校関係者、市役所職員、大学、専門家など約六十名の人々が防犯、交通事故防止、バリアフリーなど同じ目的意識でまちを点検し、その成果を共有できたことは有意義であった。今後このようなまちの点検とそれを反映したマップづくりを、より多くの人々や地域で実施していただきたい。
今回記録のツールとして用いた『聞き書きマップ』はGPS、デジカメ写真、つぶやき録音のデジタル情報をGISソフトでシンクロさせ、歩行ルート、写真、コメントを一体的に表示させるという革新的なもので、ペーパーレス、短時間でプレゼン資料が作成できるのは大きな利点であり、汎用性向上に向け一層の改善を期待したい。一方、マップの目的に応じて最適な表現手法を選択することにも留意が必要であろう。

佐藤安澄(明治大学大学院 新領域創造専攻 博士前期課程 2年)

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↑ペンを使わずにまちの様子を記録している

子どもや保護者、学校関係者や市役所職員、地元の方、学生、専門家など様々な立場の方々が思うまちに対する考えを共有することができたワークショップであった。特に、ぽろぽろとこぼしそうな低学年の小学生の率直な意見まで記録として残すことができることは大変意味があることと感じた。
雨の中でのまちあるきであったがGPSロガーとICレコーダーをポケットに入れて歩くだけの聞き書き方式であったために、上記のことが可能となった。
ただし、聞き書きマップソフトインストールの煩雑さが気になった。現時点でのインストール方法は学生にとっては容易であるが、パソコンに不慣れな方が自分でインストールすることは難しいと思われる。インストール方法が改善さえすれば、安全点検ワークショップとしてだけでなく観光マップとしてなどさまざまなことに応用でき、たくさんお地域で実践されるのではないかと思った。

村田萌(中央大学法学部4年)

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↑通学路で車が多く危ない道。念入りに確認。

今回は「高齢者健康歩きの安全」をテーマに、秩父市セーフコミュニティ対策委員会の新井章一さんと共に、聞き書きマップを使ったまち歩きに参加させていただきました。毎日歩いている地元の方の目線と外部者の目線を合わせて記録できる点がこれまでにない新しい利点です。
気になる箇所を中心に1時間半ほど歩け歩けコース(小中学校周辺の高齢者向けの散歩コース)を歩きました。新井さんのお話を聞きながら写真を撮り、レコーダーに声を吹き込みます。初めのうちは録音することに少し恥ずかしさがありましたが、だんだんとペースを掴んでいき、最終的には130枚も写真を撮っていました(!)
地元の人を中心としたワークショップ形式の聞き書きマップはもちろん、地元の今昔物語を知る方と観光客をチームにした観光客目線のマップづくりはゲーム感覚で、新しい観光産業にもなるかもしれません。今後さらに聞き書きマップが普及し、まちづくりをけん引するものになることを楽しみにしています。

芹川彩乃(中央大学 総合政策学部 国際政策文化学科4年)

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↑「この道、どう思う?」と声をかけあい走行

私は「高齢者の自転車事故安全」をテーマに、秩父二中区のコースを自転車で走行しました。このワークショップを通して、私は今まで自分の街の道路に注意を払っていなかったことに気付きました。秩父の街を自転車で走行し、自転車の通行が可能な路側帯が少ないこと、横断歩道の待機場所の狭い場所があることなど、たった一度走行しただけで「気付き」がいくつもありました。しかし、何度も何度も歩いているはずの自分の街の道路でそれを気にかけたことがなかったのです。
聞き書きマップのワークショップは、街に興味を持ち、実際に歩いて「気づく」ことで、自分の街について考えるきっかけにもなります。ボイスレコーダーで録音することに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、何か特別な事を言う必要もなく、メモ代わりに「気づき」を口に出して言えば良いので、どなたでも気軽に使用できると思います。このような機会を頂いて、感謝しております。

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