傷害サーベイランスに基づく安全学習プログラム1

データを活用した学校安全(動画) / 傷害サーベイランスソフトウエア

特徴

  • 傷害データの収集の重要性を子どもから大人まで分かりやすく伝え、サーベイランスソフトの導入を支援
  • 傷害データの収集・集計を簡単に行え、各学校の問題点を把握可能にするソフトウェア

コンテンツの紹介

サーベイランス導入の説明動画

学校では、日々、同じ事故が繰り返されています。しかし、その多くは、予防可能な事故です。学校での事故を予防するには、どのような事故が起こっているのかを詳しく把握することが大切です。「データを活用した学校安全」の動画では、なぜ事故のデータ収集が重要なのか、収集したデータがどのように予防につながるのかをアニメーションを使って分かりやすく解説します(図1)。子どもへの安全学習の教材としても活用していただけます。学校で事故データの収集に対するモチベーションを高めることもできます。これからデータ収集を行いたいと思っている学校では、先生方に、データ収集の意義を理解していただく場合にも活用していただけます。

▲図1:「データを活用した学校安全」

傷害サーベイランスソフトウエア

学校での事故を予防するためには、「性別」、「事故がおきた時間」、「ケガの種類」といった情報だけでは不十分です。どのような環境で、どのような行動をとった結果、どんなケガに至ったのか、どのくらいの高さから転落したのか、転落した場所の設置面は何であったかといった、予防につながるデータを収集することができます。このサーベイランスシステムは、学校でおこった事故データの収集・集計・分析・検索などを行うことができ、学校をより安全にするための活動に役立ちます(図2)。また、このシステムには、身体地図情報システムと呼ばれるケガの情報を記録する機能が組み込まれており、ケガの種類と身体のどこにケガをしたかの情報を3Dの子どものモデルに塗ることで、体のどこにケガをすることが多いのかを調べることができます(図3)。サーベイランスソフトでは予防につながるデータを簡単に入力することができ、養護の先生など事故データを収集する方の負担を軽減できます。

▲図2:傷害サーベイランスソフトウエア

▲図3:ソフトウエアで集計されたグラフ

開発経緯

学校管理下では、治療費が5000円以上必要となった事故が年間100万件以上おこっています。しかし、学校現場では、事故データにもとづいた予防につながる活動があまり進んでいないのが現状です。また、事故データを記録していても紙で記録していたり、収集している情報が予防につながらない情報だけであったりするため、予防につながらないという問題がありました。産業技術総合研究所では、これまで医療機関を定点とした傷害データの収集に取り組んできました。そこで得られた知見を活かし、学校での事故を防ぐために学校向けの傷害サーベイランスシステムを開発しました。

導入事例

導入施設

  • 東京都豊島区立富士見台小学校
  • 東京都台東区立金竜小学校
  • 傷害サーベイランスで収集したデータを活用し、安全学習教育プログラムの教材に取り入れることで、各学校に適応した安全学習授業を実施することができます。学校ごとのデータを活用した安全学習授業の実施は、子どもたちが自分たちの学校の問題を把握することで、「傷害」という課題を身近に感じさせることができ、安全活動に取り組む意欲を高めることができます。実際に、安全学習プログラムを実践した豊島区立富士見台小学校では、子どもがケガを防ぐ方法を知りたいという意識が、安全授業の前後で、平均6.24から7.56に上昇し(10段階評価:1が「必要ない」・10が「進んで学んでみたい」)、その効果が確認されました。また、サーベイランスを導入することにより、典型的な事故のパターンを把握したり、身体地図情報を見ながら、実施可能な対策を考えることができます。安全学習教育プログラムの詳細は、次のページの「データに基づく安全学習教育プログラム」をご覧ください。

    【解説】

    身体地図情報は、色でケガの頻度が分かるようになっています。身体の色が青の部分は、ケガの頻度が低く、黄色や赤の部分は、ケガの頻度が高いことを示しています。例えば、「自転車」によるケガの部位を見てみると、かかと、膝、額にケガが多いことが分かります。「ドア」の場合には、両手の指先や足の親指にケガが多いことが分かります。学校でおこった事故情報をサーベイランスシステムに入力することで、性別・学年・事故の発生場所・傷害の種類ごとの身体地図を作成することもできます。この地図を子どもに見せ、どうしたらケガを予防することができるのかを考えたり、対策実施の前後で身体地図を比較することで、対策の効果評価をすることもできます。

    ▲ソフトを用いた身体地図情報の検索結果(自転車)

    ▲ソフトを用いた身体地図情報の検索結果(ドア)