傷害サーベイランスに基づく安全学習プログラム2

全学年共通コンテンツ / 小学生向けコンテンツ / 中学・高校生向けコンテンツ

特 徴

  • 傷害データを活用した学校独自の安全学習コンテンツの作成支援
  • 事故がどのように起き、どんな傷害を負うのかを分かりやすく伝えるアニメーションやイラスト
  • 子どもたちが自ら傷害予防について考える力を育成する子ども参加型の安全授業プログラム

コンテンツの紹介

全学年共通コンテンツ

「傷害予防の3Eを学ぼう」は、予防と何かを伝え、傷害予防に取り組むうえで重要となる3E(Enforcement:法制化、Environment:環境改善、Education:教育)を、それぞれの項目ごとに解説しています。学校での安全活動を計画したり、具体的な対策を実施するための基盤となる知識を学ぶことができます。

▲「傷害予防の3Eを学ぼう」の例

小学生向けコンテンツ

小学生向けの教材は、「校内の危険を学ぼう」、「校庭の危険を学ぼう」、「自転車の安全を学ぼう」の3種類あります。校内の危険を学ぶ授業では、現在、いたずらでおこる事故、転倒、指挟み、出会い頭の衝突の4つのテーマを取り上げており、学校のニーズに応じてテーマを追加・修正していただけます。校庭の危険では、遊具での事故に焦点を当て、鉄棒、ブランコ、すべり台、雲てい、ジャングルジムの5つの事故を取り上げます。校内および校庭の危険で取り上げているテーマごとに事故事例を紹介し、どのように事故がおこるのか、どんな遊び方が事故につながるのかを、動画やイラストを活用しながら解説します。「自転車の安全を学ぼう」では、ヘルメットの着用と自転車メンテナンスの重要性を解説します。ヘルメットの効果を、シミュレーション映像を使いながら示したり、ブレーキの幅が手のサイズに合っていないと、ブレーキが利き始める時間が約0.1秒も遅くなることなどをデータに基づいて解説します。

▲「校庭の危険を学ぼう」のすべり台の例

▲「自転車の安全を学ぼう」のアニメーションの例

中学・高校生向けコンテンツ

中学生向けの教材は、「スポーツ中の危険を学ぼう」があります。日本スポーツ振興センターに報告されたスポーツによる事故のデータを活用し、死亡重症事故の事例や、競技別による事故発生状況を、イラストで解説しています。また、AEDの使い方、熱中症対策について学ぶことができます。
安全学習教育プログラムは、学校の学習指導要領に沿って、保健、生活、家庭科、学活などの授業の一環として活用していただけます。また、傷害サーベイランスで得られた集計結果や事故事例を教材に組み込むことで、それぞれの学校に適合した教材として活用していただくことができ、子どもの安全活動への参加意欲を高めることも期待できます。プログラムのコンテンツは、今後も増やしていく予定です。

開発経緯

近年、授業単元として「ケガの防止」が取り上げられるようになったり、インターナショナルセーフスクールの認証を目指す学校が増えてきました。それに伴い、学校現場では、データに基づいた傷害予防の実践が求められていますが、実際にそれを実践するのは難しいのが現状です。産業技術総合研究所では、これまでに、事故の発生メカニズムを明らかにし、科学的に事故を予防する方法を確立してきました。そこで、データに基づいた傷害予防教育の活動を、学校と連携しながら推進したいと考え、この安全学習教育プログラムをつくりました。

導入事例

安全学習プログラム実践校

  • 東京都豊島区立富士見台小学校
  • 東京都台東区立金竜小学校
  • 長崎県大村市立西大村小学校

安全学習授業を実施した学校では、各授業に対する効果評価を行っています。東京都台東区立金竜小学校の3年生を対象に実施した「校庭の危険を学ぼう」の授業では、「事故を防ぐために、自分に何かできることがあると思いますか?」という質問に対し、「あると思う」と回答した生徒が、授業の前後で50%から89%に増加しました。また、自分が具体的にできることの例として、「ブランコの近くでボール遊びはしない」、「モノを持って(遊具で)遊ばない」、「順番を守る」などの意見が出ました。6年生を対象に実施した「校内の危険を学ぼう」の授業では、「自分にも何かできることがあると思う」と回答した生徒が、授業の前後で30%から70%に増加し、できることの例として「急にドアは閉めない」、「出会い頭にならないように一旦停止する」などの意見が挙げられ、安全授業の効果を確認しました。長崎県大村市立西大村小学校で実施した「自転車の安全を学ぼう」では、授業の前後で、自転車に乗るとき「ヘルメットをいつも着用している」と回答した子どもの割合が56.5%から65.5%に増えました。このように、生徒の傷害予防に対する意識や行動変容への効果を確認しながら、より良いコンテンツへの改良につなげています。また、学校の要望に合わせて、複数のコンテンツを組み合わせた傷害予防カリキュラムの実践も行っています。東京都豊島区立富士見台小学校では、5年生を対象に、傷害予防の基本となる3Eの学習、校内の危険の学習、校庭の危険の学習、学校内の安全や危険を写真で記録するワークショップ、写真の発表会のカリキュラムを作り、安全授業プロジェクトに取り組みました。

▲安全授業の様子

▲写真の発表会の様子(フォトボイス)

▲自転車の安全ワークショップの様子