対人関係能力育成プログラム SEL-8S

小中学生が非行の被害者や加害者にならないための予防教育を行っています。具体的には,子どもの対人関係能力と自尊感情を育てることに重点を置いたSEL-8S(セル8エス)プログラムという学習プログラムを開発して,大学と学校が協力し,また保護者とも連携して長期間の実践を行っています。

SELとは

SEL(Social and Emotional Learning)とは,欧米諸国で広く実践され重要性が認識されている数多くの心理教育プログラムの総称です。

子どもの問題行動と人間関係能力

子どもの問題行動や学校不適応(不登校,いじめ,非行,薬物乱用,携帯電話やインターネットに関わる問題)の根底には,周囲の人との人間関係のもち方の不適切さがあります。

SELへの期待

人間関係の基礎をなす社会的能力は従来生活の中で育まれるものでしたが,生活環境の変化からそれらを身につける機会が減少し,今では学校で育むことが期待されています。

欧米諸国での実践効果

アメリカやヨーロッパでは,町や市全体での取組によって問題行動や高校中退者が減少し,さらには学力が向上した例などが報告されています。

SEL-8Sプログラムとは

SEL-8Sプログラム(Social and Emotional Learning of 8 Abilities at the School)は,SELで共通して注目されている社会的能力を,日本の教育事情に合わせて効果的に育成できるように工夫した学習プログラムです。

特徴

他の心理教育プログラムとの違い

特定あるいは一部の能力に注目したプログラムが多いなか,本プログラムは子どもの社会的能力を総合的に育てることを目指しています。また,教科学習,学級活動,学校行事などと関連付けて,学級・学年・学校単位で取り組むことができます。

コンテンツの紹介

成果

8つの社会的能力を育てる

①自己への気づき,②他者への気づき,③自己のコントロール,④対人関係,⑤責任ある意思決定,⑥生活上の問題防止のスキル,⑦人生の重要事態に対処する能力,⑧積極的・貢献的な奉仕活動,という8つの能力を育みます。

導入メリット

楽しく,具体的に学べる

実際の学校では,ペープサートや紙芝居,ゲームや身体活動,ロールプレイ,語呂合わせなどをもちいて子どもが楽しく,かつ具体的に学べるプログラムとなっています。

導入事例

日本での実践の広がり

日本でも例えば福岡県内などで,学校全体で計画的に取り組むような実践が徐々に始まっていて,SEL-8S学習プログラムへの期待が高まっています。

関連リンク

参考資料

学校等における犯罪の加害・被害防止のための対人関係能力育成プログラム実装

koizumi
(JST 犯罪からの子どもの安全webサイトより)

「生徒指導上の諸問題」(文部科学省)にあるように、小中学生の暴力行為やいじめが減少せず、また規範意識の低下などが言われており、非行や犯罪への関与や被害を減少させる必要があります。
本活動では、生活体験の質や量が変化したことによって低下した子どもの社会的能力を、対人関係能力育成プログラムを用いて計画的・意図的に育て、それを基盤として規範行動を高めることによって、小中学校での犯罪の加害や被害を予防し、また児童自立支援施設入所者の問題行動後の矯正を図ることを目指します。

研究開発に協力する関与者:
・福岡県飯塚市教育委員会
・福岡県大刀洗町教育委員会
・福岡県及び宮崎県内の公立小中学校数校
・福岡県立福岡学園(児童自立支援施設)

こうして開発された学習プログラムを学校や児童自立支援施設に導入し,実践します。