いじめ・自殺予防の3stepプログラム(SEL-short)

プログラムの適用事例


いじめ・自殺予防の3stepプログラム ソーシャルサポートを知ろう

日時:平成27年9月3日(木)
場所:厚木市立睦合東中学校
参加者:中学2年生 5クラス(クラス単位)
講師:吉永真理(昭和薬科大学教授・臨床心理士)、赤坂誠一(臨床心理士)、井手恵美(臨床心理士)
サポーター:昭和薬科大学 ここほっとルームの臨床心理士

授業内容

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「いらいらコントロール」教材を小学生へ活用

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「いじめ・自殺予防の3stepプログラム」は中学生用に開発した教材ですが、それを小学校生用にアレンジした授業が板橋区立上板橋第四小学校で実施されました。第四小学校でスクールカウンセラーをしている肥田床さんが小学校5年生に「怒りと上手に付き合おう」と題して授業を行いました。

日時: … 続きを読む


いじめ・自殺予防の3step プログラム「いらいら」コントロールの実践

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日時:平成27年6月17日(水)
場所:厚木市立睦合東中学校
参加者:中学1年生7クラス(クラス単位)
講師:吉永真理(昭和薬科大学教授・臨床心理士)、綾千晶(臨床心理士)・佐藤(臨床心理士)
サポーター:(昭和薬科大学 ここほっとルームの臨床心理士)

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子どもたちの心の健康に関するワークショップの研修:厚木市

わたし

平成26年10月11日、厚木市の「平成26年度PTA会長と教育関係者との研究会」において、子どもたちの心の健康について考える講演会とワークショップを実施しました。

日時:平成26年10月11日(土)13:30〜17:00
場所:アミューあつぎ内あつぎ市民交流プラザ … 続きを読む

特徴

  • いじめや自殺等に発展する前の一次予防となる中高生の心の健康のためのワークショップ・プログラム
  • 自分の怒り、サポート源を可視化し、友達や支えてくれる人の大切さや自分を大切にする心を育成
  • 自分も友達のサポート源になれる!ということへの気づきへ

コンテンツの紹介

このプログラムは、3つのステップから成り立っています。

Step1 いらいらコントロール

怒りは基本的な感情であり、怒りが湧き上がるのは自然なことです。しかし、攻撃性・衝動性を伴うなど表出の仕方によっては自他を傷つけてしまうことがあります。そのため、適切な表出方法を学ぶことが重要となります。さらに、できる限り自身で怒りの大きさを制御することにより、回復時間の短縮やダメージの最小化にも役立てることができるようになります。本ステップでは、生徒自身が自分自身の怒りの感じ方や表出の仕方を理解すると同時に、クラスメイトとの比較により、怒りの感じ方が人によって異なることを理解していきます。次に、怒りのメカニズムを知り、攻撃的・衝動的になる前に、適切に対処する方法を学びます。

▲Step1 ワークシート

>>Step1 ワークシートPDFはこちら

Step2:ソーシャル・サポートを知ろう

誰でも一人では対処できない困難にぶつかるときがあります。その時、周囲が支えになってくれる(助けを求めてもいい)という感覚を持っていることで、自暴自棄にならずにすみます。また、適切なサポートを受けられる相談機関を知っておくことで、いざというときに相談することができます。本ステップでは、困難を抱えた時に自分はどうしてもらうと助かるのか、また、支えてくれる人は誰なのかを確認していきます。また、他者にサポートを求めても大丈夫なことや身近な具体的な公的または民間の支援機関の情報を知らせ、相談するときのポイントについて学びます。

▲Step2 ワークシート

>>step2 ワークシートPDFはこちら

Step3 友達に手を差し伸べるには

思春期から青年期の若者にとって、もっとも身近な相談者、支援者は友人であることが多いとされています。身近に落ち込んでいる人、投げやりになっている人がいるとき、友人としてどのように手を差し伸べればいいかについて基本的な考え方を学ぶことで、自分が支援者になれることに気づかせます。本ステップでは、誰かが困っている時に、自分だったらどう声をかけるかについて考えたあと、聞くと聴くの違いについて学びます。そして、聴くときのポイントを確認しながら、ペアワークでお互いに話の聴き合いをしながら、聴くとはどういうことかを確認します。最終的には自分に出来ることの範囲を見極め、知らんぷりをしない方法について考えていきます。

▲Step3 ワークシート

>>step3 ワークシートPDFはこちら

このプログラムは、学級全体で取り組むシチュエーションが基本になっています。しかし、学級の中には大人たちが気づかない、深刻な悩みを抱えている生徒がいるかもしれません。そうしたハイリスクな子どもたちにとっては、このプログラムへの参加がきっかけで支援につながり、介入とフォローができることが期待できます。ただし、すでに何か問題を抱え、専門家による支援中である生徒に本プログラムを行う際は、養護教諭やスクールカウンセラーと連携し、生徒に異変が見られる時には適切な声かけや誘導をしてもらえるように準備をしておくとよいでしょう。

開発経緯

15歳から29歳の若者の主要な死因の1位は自殺です。また、いじめの件数も年々増加傾向です。これは今までの対策では限界があることを示しているとも言えます。思春期を迎えた中学生は、人と人とのコミュニケーションの取り方を試行錯誤しながら学ぶ時期でもあります。周囲の友人や信頼できる大人との関わりで得られたサポートを有効に使って、心の葛藤を軽くする力をつけていくことが大切です。このプログラムは思春期の子どもたちが自分の葛藤に気づいて、周囲に助けを求めたり、自分ができるサポートを担えるような力を育むことを目的としています。一方で、中学校の授業時間はタイトであり、なかなかいじめや自殺予防に特化した授業時間を十分に取ることは難しい状況があります。そこで本研究グループメンバーが福岡教育大学で開発した「社会性と情動の学習(SEL-8S)の進め方 中学校編」*から、特にいじめや自殺に関連の強い単元を抜き出し、中学校の保健体育や学活の時間内に実施しやすいよう45-50分×3コマという少ない授業時間で完結するようにアレンジを加えました。

*「子どもの人間関係能力を育てるSEL-8S(全3巻)」(ミネルバ書房2011年初版)の一冊。小泉令三・山田洋平著

導入事例

厚木市立睦合東中学校1-3年生にプログラムを実施しました。事前教員研修、ワークショップ実施、事後教員研修、2ヶ月後定着検証(効果判定)のプロセスで実施し、ワークシートや内容の改善を行ってきました。以下に各ステップを実施した後の生徒の感想(抜粋)を示します。

(1)1年生:「いらいらコントロール」

  • 自分がどんなときにイライラするのかがわかった。爆発しないように、爆発しても短い時間でなおるようにしたい。
  • 人によって、イライラ度やそのときの気持ちが違うことがわかった。
  • けっこう、自分がキレているのがわかった。
  • 怒りを溜め込まずに出した方がよいと知ったので、出してみようと思った。
  • (イライラ対処法の)深呼吸はやってみたいと思った。

▲厚木市立睦合東中学校におけるプログラムの実施風景(1年生)

(2)2年生:「ソーシャルサポートを知ろう」

  • いつも助けてもらっているから、今度は助けたいと思った。
  • 困ったときにもっと人に相談してもいいんだと思った。
  • チャートを書いてみて、自分はたくさんのサポートを受けているのがわかった
  • 友達を大切にしたい

▲厚木市立睦合東中学校におけるプログラムの実施風景(2年生)

(3)3年生:「友達に手を差し伸べるには」

  • 自分から積極的に困っている人に話しかけてあげられるようにしたいと思った。
  • 相談にのり、しっかりと「聴く」ことが大切だと思いました。
  • 自分は相談にのるのが下手なので聞かない方がよいと思っていましたが、聴くだけでちがうんだとわかってよかった。
  • 話を聴いてあげるとき、今日授業で習ったことを実践してみようと思いました。

▲厚木市立睦合東中学校におけるプログラムの実施風景(3年生)

その他、学校での導入を進めるためにPTA会長等の大人を対象に実施した例では、子どもの視点に立った対策の重要性への気づきが見られました。

▲PTA、教育関係者向けワークショップの実施風景