亀岡市の集団登校事故から3年半の現場視察報告

2012(平成24)年4月、京都府亀岡市の府道王子並河線で集団登校中の児童の列に居眠り運転の車が突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故から3年半余り経ちました。先日(2015(平成27)年12月)、事故現場を視察し、関係者に現状と課題についてヒアリングをしましたので、その報告をします。

事故直後、地元自治会から速度抑制対策の要望が上がり、すぐに事故現場周辺の道路を時速40キロから時速30キロに引き下げられました。翌2013(平成25)年6〜7月には亀岡市交通安全対策協議会による交通安全対策の社会実験が行われ、住民・市・府・国が協働して、安全対策区間2kmにわたって「速度抑制ポール」により道路幅員を6mから3mに狭める狭さくを設置し、歩道や自転車帯をカラー舗装する工事が2014(平成26)年5月に完了しました。登校時間帯は一方通行とするとともに、通学路の安全対策を広めるために、亀岡市立詳徳小・中学校周辺の道路を時速30キロに制限する「ゾーン30」に設定しました。

(参照)「亀岡市の府道王子並河線 安全対策社会実験 視察報告」

    「亀岡市の府道王子並河線 狭さくの設置 ヒアリング報告」

事件から3年半経った今回、実際に現地を歩行し、また車で安全対策区間を走行したところ、確かに狭さく付近で速度を落とし、安全に走行している車両が多く見られました。白色で記した歩道とその内側に青色で記した自転車帯のカラー舗装も安全走行に効果的な印象を受けました。警察による速度および一方通行取り締まりも適時行われているとのことです。これらに加え、警察と住民が「被害者はもう出さない」と再発防止の取り組みを進めてきました。例えば、子どもたちの安全を見守る活動を進めている亀岡地域交通安全推進委員会では毎月1回研修会を行い、交通事故の発生状況をもとに意見を交わしている。こうした活動の結果、亀岡署管内の交通死亡事故ゼロの期間が過去最長の連続700日間を達成しています。

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しかし、地元のタクシードライバーによれば、「時間が経つと、事故のことを忘れ、狭さくにも慣れてきて、速度を上げて後ろから煽ってくる車も最近は多くなっている」と嘆きます。確かに法定速度の30キロ以下で安全対策区間を走っていて車を道路脇に寄せると、後続の車が速度を上げて走り去りました。交通安全対策はハード整備だけに頼れない課題もうかがえました。京都市の中心市街地の道路を速度20キロに制限するなどの思い切った対策を講じてきた京都府警察本部の担当者は、「道路の機能を住民のみなさんが、どのように決めるかが、安全を持続させる上で重要」といいます。事件現場の篠町自治会は毎年事業計画をたてて各種の安全対策の活動を進めてきました。その活動ぶりは、自治会の公式サイトでも伺えます。

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かつて同道路の両側に水路があり、大根を洗うなどに利用されていました。水路蓋を設置したことにより車両速度が上がったと言われています。

(文責:森脇環帆)

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